気のせいではなかった!給湯器の耐用年数が短くなった理由
2016年05月31日
昔の給湯器は長く使えたのに、最近の給湯器は壊れやすくなったのでは?と思われる方も多いでしょう。
実は、気のせいではなかったのです。どういうことでしょうか。
便利になった分精密な部品が増えた
昔の給湯器は、屋内にあって、種火を点け、お湯を沸かすのが当たり前でした。
冬場に凍結してしまうので、屋外には設置できなかったのです。
現在は、凍結防止機能が発達したため、屋外に設置するのが当たり前。種火もありません。
しかも、自動でお風呂にお湯を張ったり、自動で追い焚きしたりと、昔にはなかったセンサーがたくさん搭載されています。
また、それらを制御する頭脳である基盤(コンピューター)も、繊細な動作を可能にする重要な部品です。
しかしながら、部品の数が増え、複雑になればなるほど、故障する箇所も増えてしまいます。
単純な機械ほど壊れにくい。
そういう意味で、確かに昔より耐用年数は短くなっているのです。
頑丈さを犠牲に。省エネを実現するために
省エネと聞けば、とても良いことのように聞こえますが、耐用年数という側面から見ると、マイナスな場合も少なくありません。
給湯器は、ガスや灯油などを燃やして、その熱でお湯を沸かします。
細かく言いますと、細いパイプの中を通り抜ける間に、加熱されていくのですが、効率よく熱を伝えるためには、パイプの肉厚ができるだけ薄いほうが、ダイレクトに伝わります。
お鍋やフライパンも同じですよね。分厚ければ、火が通るまでに時間がかかります。
ただ、給湯器の中は、水が通り抜けるため、少しずつですが水流でパイプを削ります。
肉厚が薄いと、削られて穴が開くまでの時間が短くなります。
つまり、昔は肉厚で耐久性に優れた構造でしたが、現在は省エネのためにパイプが薄く作られている。
耐用年数は必然的に短くなっています。
決められていた。設計上の耐用年数は10年
これまで挙げた理由は、あくまでも経験上申し上げている部分。
ですが、カタログを見ると、製造するメーカーも耐用年数を計算していることがわかります。
カタログには設計上の耐用年数は10年と、はっきり記載されているのです。
昔はもっと長持ちした印象がありますが、設計上も10年と計算されているのです。
もちろん、必ず10年で故障するとは限りませんし、逆に必ず10年使えるという保証でもありません。
あくまでも目安です。
これを長いと見るのか、短いとみるのか、近年安くなった給湯器の値段も考慮して、ものづくりのことを考えるきっかけにしても良いかもしれません。
ガス器具に関することは、弊社HPもご覧ください。
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