家のメンテナンスを考える~部屋の上がベランダの家~
2016年07月08日
リビングの上がベランダになっている。広々として洗濯物がたくさん干せたり、テーブルを置いてティータイムなんて憧れ!
しかし、「こんなことならやめておけばよかった!」という事例もあります。見ていきましょう。

外でティータイムが憧れだったけれど・・・
防水を怠ると雨漏りしてしまう
まず、屋根のあるタイプをベランダ、ないものをバルコニーと呼ぶのですが、今回それはおいておき、ベランダで統一します。
ベランダは、様々な形がありますが、どのタイプでも共通するのは、雨が降るとベランダの上に水が溜まるということです。
もちろん、排水口も作るので、溜まりっぱなしではありませんが、屋外である以上、雨に濡れてしまいます。
そのままでは、下の部屋に水が染み込んでしまいますので、当然ですが防水処理を行います。
しかし、防水というのは定期的にメンテナンスをしなければ、効果がなくなってしまうもの。
そのタイミングを逃してしまうと、下の部屋に雨漏りしてしまうのです。
下に部屋がなければ、多少の雨漏りがあっても被害は少ないですが、部屋には家具や家電、もしかすると高価な置物があるかもしれません。そう考えると、ベランダの下が部屋になっているリスクは、かなり大きいといえるでしょう。
ベランダでも屋根屋にお願いする
以前、屋根のことは大工ではなく、屋根屋に任せるべき、という記事を書きました。
通常、ベランダは大工やサッシを扱う業者が施工するものですが、部屋の上に作るのであれば、屋根屋に任せるべきでしょう。
下に部屋がある以上、その部分はベランダである前に、屋根であるからです。屋根というのは、下の部屋を守るために存在しているもの。雨仕舞や防水が完璧でなければ、役割を果たせません。
実際、工務店に建ててもらった家で、部屋の上がベランダになっており、すべてを設計と大工が指示した結果、建てた直後から雨漏りが起こってしまい、それから10年間、雨が多い時には必ず雨漏りする状態のまま、住み続けた方からご相談を受けたことがあります。
何度も修理をした(もちろん無償で)そうなのですが、建てた本人が屋根や防水を熟知していないため、直し方もわからないのです。
屋根は屋根屋に依頼する。とても大切なことです。
部屋の上にベランダを作るべきではない
これを言ってしまうと、元も子もないかもしれませんが、あえて言います。
そもそも、部屋の上にベランダを作るべきではないと、私は思います。
雨漏りの危険とリスクが大きいというのはお分かりいただけたと思います。
そして、作る時や防水メンテナンスにかかる費用も高くなります。
さらに、防水処理の度に、置いてあるもの(物干し竿、倉庫、テーブル、エアコンの室外機など)を、すべて移動させなければならない手間も、かなりの負担になります。
部屋の上のベランダは広く作るので、物が増えてしまうのです。
雨がほとんど降らない地域や、家の建て方が違う国であれば別ですが、日本の環境には向いていません。
もしこれから、家の計画をされる場合は、ぜひ参考にしてみてください。
雨漏りについては、弊社HPもご覧ください。
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主な資格・免許
- 神戸市指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)
- 給水装置工事主任技術者
- 液化石油ガス設備士(LPガス設備士)
- ガス機器設置スペシャリスト(GSS)
- 第二種電気工事士
- 排水設備工事責任技術者
- 二級建築施工管理技士